九州地区の共同配送ネットワーク構築

2021.08.03(火)

“三方よし”の精神でお客様のニーズに応える。コイズミ物流ではときに競合他社であることもいとわず、業界全体の課題解決に貢献する取り組みを行っています。九州地区では、拠点間輸送を複数社共同で一台のトラックにまとめることで、コスト削減と安定的な路線開拓に成功しました。

「無理」と言われてからが本当のスタート
自らの足を運んで可能性を発掘する

九州地区は、人手不足が深刻なエリアのひとつです。象印マホービン様のご依頼をキッカケに、この困難地域の共同配送ネットワークを構築・強化することをめざし、工藤(九州営業所長)は2017年4月に異動してきました。家電の配送は8月が繁忙期です。そこまでにネットワーク構築ができていなければ、その年の仕事はありません。そこで、共同配送ネットワークの運用開始を7月と設定。はじめの1ヵ月間は慣らし期間と考えると、リミットは6月末です。この3ヵ月間でなんとか形にすることが私の目標でした。結果として、8月を迎える頃にはそれまでの共同配送エリアを大きく拡大し、九州の3分の1は共同配送でまかなえるネットワークが実現しました。

最初に行ったのは、当時お付き合いのある配送業者様、お取引先様、当社社内に一件ずつ根気よく訪問し、丁寧にヒアリングすることでした。例えば「あそこは以前廃業した」と聞いても、必ず足を運んで確認。多くは「キャパシティオーバーだ」と断られたりするなど空振りに終わりましたが、「廃業していたけれど、業務を再開した」という情報を得ることもありました。また、同業他社にも足を運び、どのような配送をしているのかなどのヒアリングを重ねると、やはり、当社と同じ悩みを抱えていることがわかりました。そこで、「お互いに協力し合いましょう」と提案。「拠点まで持ってきてくれたら配送できる」と言われていた業者様への拠点間輸送を、複数社共同で一台のトラックにまとめ、コスト削減と安定的な路線開拓に繋げました。「競合先だから」なんて言っていられません。みんな困っているのであれば、助け合おう。それが私の考えたことでした。

 

共同配送ネットワークができているエリアを地図にマーク。少しでもエリアが増えるよう、いつも持ち歩いてヒアリングの際に活用した。「業者開拓はもちろん必須ですが、協力会社が事業を続けられるように、仕事の量を安定させるのも私の仕事。まさに“三方よし”の精神です」(工藤)